『ディビジョン3』は今どうなっている? Ubisoft再編とMassiveの現在を追う

ディビジョン3はいまどうなっているのか
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自分はこれまで、『ディビジョン』シリーズをかなり遊んできた。ディビジョンはTPS(サードパーソン・シューティング)でありながら、公式ではRPGとして展開されている作品だ。

初代『ディビジョン』が日本で発売されたのは2016年3月10日。

昨今、長く人気が続いているFPSとは少し違い、PvEでは敵から攻撃を受けたからといって、一撃でやられてしまうようなゲームではない。もちろん、防具を捨てるような構成で強敵に挑めば話は別だけど。そして何より、ハクスラ要素がかなり強い。より良い装備を求めて何度も周回し、拾った装備を眺めながらビルドを考える。自分にはこれがかなり刺さった。

初代で特に好きだったのが、DZ(ダークゾーン)だ。PvEとPvPが入り交じる特殊なエリアで、手に入れた装備もその場では自分のものにならない。回収地点まで持っていき、ヘリによる回収を成功させて初めて持ち帰ることができる。当然、そこには他のプレイヤーもいる。味方だと思っていた人が突然ローグ化することもあれば、その場で知り合ったプレイヤーと一緒に行動することもある。あの何ともいえない緊張感が、とにかく面白かった。

そして、極寒のニューヨークからの生還を目指す「サバイバル」も本当によく遊んだ。国内外を問わず、多くのプレイヤーとVCを繋いで遊んでいた記憶は今でもかなり鮮明に残っている。

もうひとつ、『ディビジョン』を語るなら忘れてはいけないものがある。

サーバーだ。

遊んでいたら突然サーバーから弾かれる。ログインできなくなる。そして始まるサーバーメンテナンス。「今日も装備を掘るぞ」と集まったのに、気がつけばVCを繋いだまま、みんなでメンテ明けを待っている。

今思えば、あれもひとつのコンテンツだったような気さえする。

目次

『ディビジョン2』、そして待ち続ける『3』

2019年3月15日には『ディビジョン2』が発売された。

自分の感覚では初代ほどの勢いは感じられなかったものの、それでもかなりの時間をプレイしてきた。そして驚くのは、2019年発売のゲームでありながら、2026年になった現在も『ディビジョン2』の運営が続いていることだ。

現在はYear 8「Red Horizon」が展開され、ニューヨークのCentral Parkを舞台にしたDLC「Echoes of Central Park」や、新しいゲーム体験『The Division 2: Survivors』のテストも進められている。さらにYear 9が来ることまで正式に予告されている。

その一方、自分がずっと待ち続けているのが『ディビジョン3』だ。『2』から『3』を待っている間には、モバイル向けの『ディビジョン リサージェンス』も登場した。

作品・出来事時期
『ディビジョン』日本発売2016年3月10日
『ディビジョン2』発売2019年3月15日
『ディビジョン3』の開発が正式発表2023年9月
『ディビジョン リサージェンス』モバイル版サービス開始2026年3月31日
『ディビジョン リサージェンス』Steam版配信2026年8月5日
現在『2』『Resurgence』を運営しながら『3』を開発中

『ディビジョン リサージェンス』は2026年3月31日にiOS / Android向けにサービスを開始し、8月5日にはSteam版も登場した。現在はモバイルとPC間のクロスプレイ、クロスプログレッションにも対応している。もちろん自分もサービス開始日にプレイした。スマホの中に広がるディビジョンの世界を楽しみにしていた…のだけど、残念ながら自分には今ひとつ刺さらなかった。

まず操作性が自分には合わなかった。その後PC版にも対応したので「これなら」と思ったものの、今度はPC版のUIがどうもしっくりこない。そんなこともあり、リサージェンスからは離れてしまった。それでも、ディビジョンというゲームのシステムは好きだ。TPSとしての戦闘、装備を集めてビルドを考えるハクスラ要素、そして崩壊した都市の中で進んでいくシナリオも好きだったりする。

だからこそ気になる。

『ディビジョン3』は今、どうなっているのか。

ただ、『3』の現在を追っていくと、その前に知っておかなければならないことがあった。Ubisoftそのものが、この数年で大きく変わっている。

その前に、UbisoftとMassiveって何?

ここから会社名や聞き慣れない言葉がいくつか出てくるので、先に簡単に整理しておく。

名前簡単にいうと
Ubisoft(ユービーアイソフト)フランスを本拠とする大手ゲーム会社。開発だけでなく、ゲームの販売やシリーズ全体の運営も行う。
Massive EntertainmentスウェーデンにあるUbisoft傘下のゲーム開発スタジオ。初代『ディビジョン』を生み出し、現在『ディビジョン3』の開発を主導している。
Creative HouseUbisoftが2026年から本格導入した新しい事業・開発単位。似た特徴を持つゲームブランドやスタジオをグループ化する仕組み。
Vantage StudiosUbisoftが新設した子会社・Creative House。『Assassin’s Creed』『Far Cry』『Rainbow Six』を担当する。Tencentも出資している。
Tencent中国の大手テクノロジー・ゲーム企業。Vantage Studiosへ出資しているが、The Divisionを直接担当しているわけではない。
SnowdropMassiveが開発しているゲームエンジン。『ディビジョン』シリーズなどに使用されている。

この関係を押さえておくと、最近のUbisoft関連ニュースがかなり分かりやすくなる。

Ubisoftといえば、あのゲームもこのゲームも

日本のゲームプレイヤーであれば、Ubisoftという会社名を強く意識していなくても、同社のゲームを知っている人は多いと思う。

「アサクリ」の愛称でもおなじみの『Assassin’s Creed』

『Far Cry』

「シージ」と呼ばれることも多い『Rainbow Six Siege』

『Ghost Recon』

『Watch Dogs』

もちろん『The Division』も、その中に並ぶUbisoftの大きなゲームブランドのひとつ。Ubisoft自身もこれらを主要ブランドとして挙げてきた。これだけのシリーズを抱えてきた会社なのだが、近年のUbisoftは決して順調だったとはいえない。

Ubisoftは経営不振だったのか

これは、かなり厳しい状態にあったと考えていい。

2026年5月に発表された2025-26年度の通期決算では、売上高は約13億9,570万ユーロ。前年から21.8%減少した。

Ubisoftが業績を見るために使っている「Net bookings」という予約・販売額の指標も約15億2,510万ユーロとなり、前年から17.4%減っている。さらにIFRSベースの営業損失は、約13億2,230万ユーロに達した。

Ubisoft 2025-26年度金額・変化
売上高約13億9,570万ユーロ
前年比-21.8%
Net bookings約15億2,510万ユーロ
前年比-17.4%
IFRS営業損失約13億2,230万ユーロ

ただし、この数字だけを見て「Ubisoftのゲームがまったく売れなくなって13億ユーロ以上の赤字になった」と考えるのは正確ではない。

Ubisoftは2026年1月、大規模な事業・組織・開発タイトルの見直しを発表している。

その後の通期決算では、ポートフォリオ全体の見直しによって7プロジェクトを中止、6プロジェクトを延期したと説明。開発計画の変更や資産の見直しも巨額の損失に影響している。

要するに売上が落ちた。開発計画もうまくいかない部分があった。そして会社そのものを大きく作り直すことになった。という状況。

TencentがUbisoftを買った? The DivisionもTencent傘下?

Ubisoftの話を追っていると、Tencentという名前も頻繁に出てくる。ここは誤解しやすいかもしれない。

2025年、TencentはUbisoftの新会社「Vantage Studios」に11億6,000万ユーロを出資した。TencentはVantage Studiosの26.32%の経済持分を持つが、Vantage Studios自体は現在もUbisoftが単独で支配する会社とされている。

そしてVantage Studiosが担当するのは、

  • Assassin’s Creed
  • Far Cry
  • Rainbow Six

この3ブランドであり、The Divisionはここには入っていない。

「Tencentが出資した新会社でディビジョン3が作られている」という理解は、現在の公式な組織構造とは違う。

The Divisionは「Creative House 2」へ

2026年からUbisoftは、ゲームやスタジオを5つの「Creative House」に分ける新しい体制へ移行している。

Creative Houseとは、これまでのように巨大なUbisoft全体でゲームを管理するだけでなく、似たゲーム体験を持つブランドをまとめ、開発から長期的なブランド運営まで、それぞれの組織により大きな責任を持たせる仕組みだ。

The Divisionが入ったのはCreative House 2。

ここには、

  • The Division
  • Ghost Recon
  • Splinter Cell
  • March of Giants

などが含まれている。

2026年7月には、2K Gamesの共同創設者・元社長で、Amazon GamesのVPも務めたChristoph Hartmann氏がCreative House 2のGeneral Managerに就任した。

The Divisionは、Ubisoft再編の中で消えたわけではない。新しい組織の中に、きちんと居場所が用意されている。

ではMassive Entertainmentとは何なのか

『ディビジョン3』を追うなら、Massive Entertainmentの存在は避けて通れない。

Massive Entertainmentは1997年にスウェーデンで設立されたゲーム開発スタジオだ。『Ground Control』『World in Conflict』などを制作した後、2008年にUbisoftグループへ加入。

その後『Far Cry 3』『Assassin’s Creed Revelations』などにも関わり、2016年には自ら生み出した『Tom Clancy’s The Division』を発売した。

現在は『ディビジョン』だけを作る会社でもない。

『Avatar: Frontiers of Pandora』や『Star Wars Outlaws』を手掛け、ゲームエンジン「Snowdrop」の開発拠点でもあり、Ubisoft Connectにも関わっている。

現在のMassiveは約600人規模。

そして公式求人には、今も、

『The Division 3』
『The Division 2』
『The Division 2: Survivors』

を手掛けていることが明記されている。

Massiveも何事もなかったわけではない

Ubisoftの再編は、Massiveにも影響している。

2026年1月にはMassive EntertainmentとUbisoft Stockholmを対象に、約55の職が影響を受ける可能性のある組織再編が提案されたと報じられた。Ubisoftはこの変更について、個人の業績や直近作品の品質を理由としたものではなく、構造的な変更だと説明している。

さらに経営体制も変わった。

2026年9月24日、MassiveはNatalie Francis氏を新Managing Directorに任命すると発表した。

就任は2026年10月1日。

EA DICEやAvalanche Studios Groupなどでの経験を持つ人物で、Massiveはまさに今、新しい経営体制へ移ろうとしている。Ubisoft本体だけでなく、Massiveの側でも人と組織がかなり動いている。

では、そんな中で肝心の『ディビジョン3』はどうなったのか。

『ディビジョン3』が正式に明らかになったのは2023年

Ubisoftが『Tom Clancy’s The Division 3』の存在を正式に明らかにしたのは2023年9月21日。

当時、Julian Gerighty氏がThe Divisionブランド全体のエグゼクティブプロデューサーに就任し、Massive Entertainmentが『ディビジョン3』の開発を主導することが発表された。ただし、この段階ではまだチームを構築している最中だった。つまり、2023年に「3を作っています」と発表されたからといって、その時点ですでに何年も本格制作していたわけではない。

ここは『2』からの期間だけを見ていると、少し印象が変わるところだと思う。

2026年1月、「ディビジョン3はproductionに入っている」

それから2年以上。

2026年1月、当時シリーズのエグゼクティブプロデューサーだったJulian Gerighty氏が『ディビジョン3』について口を開いた。

『ディビジョン3』はすでに「production」に入っており、

「It’s shaping up to be a monster」

――怪物級の作品になりつつある、と表現。

さらに初代『ディビジョン』と同じくらいのインパクトを持つ作品を目指していることも語っている。ゲーム映像すら公開されていない時期なので、この発言だけで内容を判断することはできない。それでも2023年の「チームを作っています」という段階から、実際の制作段階へ進んでいることが確認できたのは大きい。

ところが、その直後だった。

『ディビジョン』を率いてきたJulian Gerighty氏がUbisoftを退社

2026年1月16日、Julian Gerighty氏がUbisoftを離れ、Battlefield Studiosへ移籍することが明らかになった。

初代から長く『ディビジョン』に関わってきた人物だけに、これはシリーズを追っている側からすると気になる出来事だった。

ただしMassive側は、Gerighty氏が去った後も『The Division 2』『The Division 2: Survivors』『The Division Resurgence』『The Division 3』に対するチームの取り組みは変わらないとしている。

責任者が退社した。だから『3』も危ない。そこまで結び付ける根拠は、今のところ確認できない。

2026年9月現在、『ディビジョン3』はまだ生きている

ここが今回一番確認したかった部分だ。

2026年9月現在、Massive Entertainmentの公式サイトには『Tom Clancy’s The Division 3』の専用ページが存在している。

そこにはMassive Entertainmentが開発を主導していること。現在もプロジェクトの人材を募集していること。が明記されている。

さらにUbisoftの採用ページでは、現在『ディビジョン3』向けのSenior AI Game Designerを募集している。

仕事内容を見ると、Snowdrop上で敵NPCの行動を作り、戦闘NPCの設計やBehavior Treeの実装、プレイテストをもとにした調整などを行う仕事だ。応募条件にも、シューター開発の経験、特に三人称シューター経験が歓迎されると書かれている。

少なくとも「いつか作ります」というだけの段階ではない。実際に戦闘や敵NPCを作る人材を募集しながら、開発が続いている。

現在分かっていること、まだ分からないこと

項目2026年9月現在
『ディビジョン3』の存在正式発表済み
開発継続中
開発主導Massive Entertainment
制作段階2026年1月時点でproductionと説明
開発スタッフ募集現在も確認できる
発売日未発表
発売年度未発表
対応機種未発表
舞台未発表
ゲーム映像本格的な公開なし
開発中止の発表なし

ここは変に予想しない方がいいと思っている。「2028年に出るのではないか」といった予測はできるかもしれない。でも、UbisoftもMassiveも『ディビジョン3』の発売時期を正式に発表していない。

分からないものは、今は分からない。

一方で『ディビジョン2』はむしろ元気だった

Ubisoft全体の数字がかなり厳しい中、意外だったのが『ディビジョン2』だ。

Ubisoftの2025-26年度決算によれば、『ディビジョン2』のNet bookingsは年間で前年の2倍以上になった。シリーズ10周年施策やロードマップ更新、ライブサービスの継続などがプレイヤーの参加につながり、収益面でも好調だったと説明されている。

Ubisoft全体が苦しい。だからThe Divisionも全部うまくいっていない。

そう単純な話ではないらしい。

発売から7年以上経った『ディビジョン2』が、今も新しいコンテンツを出しながらシリーズを支えている。

これはかなりすごいことだと思う。

そして『Resurgence』にも、もう少し頑張ってもらいたい

自分には残念ながら刺さらなかった『ディビジョン リサージェンス』だが、こちらもサービスが止まっているわけではない。2026年9月16日にはシーズン2フェーズ2がスタートし、新しいエキゾチック武器やイベント、50段階のパスなどが追加されている。

Steam版の評価を見ると、2026年9月現在は「賛否両論」となっており、PCプレイヤーから全面的に受け入れられているとは言い難い。それでも、『ディビジョン』の名前を背負って現在も運営されている作品だ。

『ディビジョン3』が発売されるまで『ディビジョン2』が本編シリーズを支え『Resurgence』がスマホやPCの基本無料タイトルとして別の入口を作り、その先でMassiveが『3』を作っている。

自分には合わなかったから終わってくれていい、とは思わない。『3』が出てくるその日まで、Resurgenceにも頑張ってもらいたい。

色々あって、うまくいっていない。それでも

ここまで調べてみると、Ubisoftという会社全体については色々あって、うまくいっていない。結局、それに尽きるような気がする。

売上は落ちた。

大きな損失も出した。

開発タイトルの中止や延期があり、人員やスタジオの整理も続いた。Tencentの出資を受け、新しい会社を作り、Ubisoft全体の組織そのものまで5つのCreative Houseへ作り直している。Massiveでも人員の再編があり、経営トップが変わる。

そして『ディビジョン』シリーズを長く率いてきたJulian Gerighty氏も会社を去った。

何もなかったとは、とても言えない。ただし、The Divisionだけを見ると少し景色が違う。『ディビジョン2』は2026年になった今も新しいコンテンツを展開している。『Resurgence』もシーズン2が続いている。

『ディビジョン3』には現在も専用の開発ページがあり、Massiveは実際に開発スタッフを募集している。

発売日は分からない。舞台も分からない。対応機種も分からない。ゲーム画面すら、まだほとんど見えてこない。

それでも『ディビジョン3』は、まだ生きている。

自分が初代『ディビジョン』でDZを走り回り、サバイバルで凍え、国内外のプレイヤーとVCを繋ぎ、時にはサーバーから弾かれてみんなでメンテ明けを待っていた頃から、もうかなりの時間が経った。

いつになるのかは分からない。でも、もう一度あの世界に戻れる日を待っている。

これからも自分は、『ディビジョン3』を追いかけるだろう。

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