PCの買い替えを考えていると、どうしても予算との戦いになります。CPUはこのくらい、グラフィックボードはこのクラス、メモリは32GB、SSDも1TBは欲しい。構成を決めて、あとは予算を用意して買うだけのはずでした。
ところが最近は、予算の目途が立ってきたと思った頃には、また価格が上がっています。もう少し予算を増やすか、構成を下げるか、それとも待つか。自分自身、PC価格を追いながら何度も予定を組み直してきました。
そんな中、9月7日にはPCショップのアプライド和歌山店が、一部グラフィックボードについて近く値上げを予定していることを告知しました。現時点では対象GPUや値上げ幅、実施時期までは分かっていませんが、8月にも国内でグラフィックボードの価格上昇が相次ぎ、一部では20~30%ほど上昇したと報じられています。GPUが高くなれば、その分をPC全体のどこかから削らなければならなくなります。そして今、その削る候補として見えてくるのが、Ryzen 7 5700Xを搭載した比較的安いBTOパソコンです。
またグラボが値上げ? PC全体の予算にも影響する
今回の値上げ予告について、RTX 5070やRTX 5070 Ti、RX 9070 XTなどが対象になるのか、どの程度上がるのか、他店にも同じ動きが広がるのかはまだ分かりません。ただ、すでに値上がりした製品がある中で、さらに価格改定の可能性が出てきたことは気になります。
PCはGPUだけで完成するものではありません。CPU、マザーボード、メモリ、SSD、電源、ケースまで含めた総額で考える必要があります。GPUが2万円高くなっても追加できる人はそのまま買えますが、予算の上限が決まっていれば、どこかを削るしかありません。GPUを一段下げるのか、CPUを安くするのか、SSDやメモリを抑えるのか。グラフィックボードの値上げは、結局PC全体の構成に影響してきます。
予算の目途が立った頃には、また価格が上がっている
自分もまさにこの問題にぶつかっています。欲しい構成を決め、BTO各社の価格を見て、少し高ければ別の組み合わせを探す。「ここまでなら出せそうだ」と思った頃には価格が動き、あと少しで手が届くと思ったところから、また離れていく。
特にGPUは、ゲームだけでなく動画編集や3D制作、ゲーム制作、AIを利用する作業などでも性能差が出やすい部分です。せっかく新しいPCを買うなら、できればここは下げたくありません。そうすると、今度はCPU側で予算を抑えられないかと考えるようになります。
そこで候補に入りやすいのが、Ryzen 7 5700Xを搭載したPCです。古いPCを長く使い、次こそしっかりしたPCへ買い替えようと予算を用意してきた人ほど、この価格差は魅力的に見えると思います。
予算を下げるとRyzen 7 5700X搭載PCが見えてくる
Ryzen 7 5700Xは、今でも使えるCPUです。Zen 3世代の8コア16スレッド、最大ブーストクロック4.6GHz、公称TDPは65W。AM4ソケットとDDR4メモリに対応しており、「古いCPUだから今ではまともに使えない」というものではありません。
5700Xを搭載したBTOパソコンは、より新しいCPUを搭載したモデルより価格を抑えやすく、その分をGPUへ回せます。ゲーム用途を重視するなら、この組み方が合理的になる場合もあるでしょう。
ただし、すでにAM4環境を持っている人が5700Xへ交換することと、2026年にPC一式を新しく購入して5700Xを選ぶことは別です。安さだけで決める前に、この違いは考えておきたいところです。
5700Xは今使える。でも2年後、3年後はどうする?
5700Xを新品PCで選ぶときに気になるのは、CPU性能そのものよりもAM4という土台です。5700XはAM4とDDR4を使います。一方、Ryzen 7 9700XはAM5とDDR5を採用する、より新しい世代のCPUです。購入直後に必要な性能が出ているなら、5700Xでも困らないかもしれません。差が出るのは、数年後にCPUを交換したくなったときです。AM5であれば、マザーボードが対応している範囲で別のAM5 CPUへ交換できる余地があります。
対して5700XからAM5世代へ移る場合は、CPUだけでは済みません。マザーボードをAM5対応品へ変更し、DDR4メモリもDDR5へ交換する必要があります。つまり、新しい世代へ移ろうとしたときに、CPU、マザーボード、メモリをまとめて変更することになります。
この先CPUだけを交換しながら使いたい人にとって、AM4は不利です。一方、今回買った構成をそのまま数年間使い切るつもりなら、アップグレードのしにくさは大きな問題にならない可能性もあります。
5700Xへ下げるかは「何を妥協するか」で決めたい
PC価格が上がっている今、すべてを理想通りにするのは難しくなっています。そこで必要になるのは、何も妥協しないことではなく、自分ならどこを妥協できるのかを決めることです。GPU性能を優先するなら、5700Xを選んでPC全体の価格を抑える方法があります。逆に、数年後のCPU交換まで考えるなら、多少価格が上がってもAM5を選ぶ意味があります。
自分も、PCを買おうとするたびに価格が上がっていく状況を見ながら構成を考えてきました。だから5700X搭載PCが安く見える理由も、その価格に惹かれる気持ちも分かります。
それでも、単純に「安いから5700X」で決めるのではなく、GPUを優先するのか、CPUの将来性を残すのか、今回買った構成をそのまま使い切るのかまで考えて選びたいところです。値上げによって何かを削らなければならないなら、自分にとって後悔しにくい部分を削る。今のPC選びでは、それが一番重要だと思っています。
この記事で参考にした情報
- VideoCardz:Japanese retailer warns GPU prices have not finished rising
https://videocardz.com/newz/japanese-retailer-warns-gpu-prices-have-not-finished-rising - AMD:AMD Ryzen 7 5700X Drivers and Downloads / Specifications
https://www.amd.com/en/support/downloads/drivers.html/processors/ryzen/ryzen-5000-series/amd-ryzen-7-5700x.html - AMD:AMD Ryzen 7 9700X
https://www.amd.com/en/products/processors/desktops/ryzen/9000-series/amd-ryzen-7-9700x.html


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